
請求管理業務とは? 業務の流れと効率化のポイントを紹介
伝票上、どれだけ売上が立っても、代金の回収ができなければ会社にお金は入ってきません。そこで欠かせないのが、債権を正確に管理する一連の流れである請求管理です。
この記事では、請求管理業務の流れと効率化を進めるためのポイントをご紹介します。
そもそも、請求管理業務とは?
顧客企業との取引を管理し、取引情報に基づいて請求書の発行・送付を行い、代金の回収と会計上の処理までをすることを請求管理業務といいます。
請求管理と聞くと、請求書の発行・送付をする業務だと思いがちですが、代金回収の確認や会計上への反映まで業務に含むため、良好なキャッシュフローを保ったり、利益を確保していったりするために非常に重要だといえます。
請求方法は「都度請求」と「締め請求」の2つ
請求管理業務を進めるためには、まずは請求方法の確認が欠かせません。
1回の取引ごとに請求書を発送する請求方法を「都度請求」と言います。新規で取引を開始したばかりの顧客や個人との取引の場合、都度請求を行うことが多いようです。都度請求の場合には、売上伝票に記録をすると同時に請求金額が確定します。売上伝票ごとに請求明細書を発行(印刷)することができます。
これに対して「締め請求」は、発注者と受注者の間であらかじめ設定した締め日に合わせて請求を行う方法です。締め日になったら、期間内に発生した取引の請求書をまとめて発行・送付します。信頼関係ができていて、継続的に取引を行っている顧客との間でよく用いられます。締め請求は、請求書の発行の回数、相手方の支払いの回数、入金のチェックを最小限に抑えられるため、両者にとって効率的な方法とされています。
請求管理業務の流れを確認
続いて、請求管理業務の一連の流れと注意点をチェックしていきましょう。
<1>「請求の締め切り」をする
締め請求を用いる場合、毎月5日、毎月末など、あらかじめ決めた日付けに請求内容の確認と確定をします。具体的には、前月の締め日の翌日から当月の締め日までに発生した取引内容を集計していきます。
(!)取引内容によって金額などは異なるケースが多いため、1件1件ていねいに確認したあとで請求金額とし確定します。
<2>請求書を発行する
「請求の締め切り」を終えた分と、都度請求分とをあわせて、確定した請求金額を請求書として作成します。
請求書には次の項目を記載します。
・請求書発行日
・請求書番号
・請求先
・支払期日
・請求内容
・自社情報
・振込先情報
・特記事項(振込先の変更や振込手数料の負担依頼など)
(!)請求書をミスがあると、取引相手からの信頼を失いかねません。ミスを防ぐため、多くの場合は複数の担当者で確認作業をしてから請求書の発行をします。
<3>請求書の送付
発行した請求書は部門責任者などの承認を経て、取引先等に送付します。送付方法は郵送・FAX・電子メール(PDF文書)のいずれかです。
誤送付があってはならないため、必要に応じて請求内容と宛先に誤りがないかを再確認します。
(!)電子メールやチャットツールでの送付は手軽な反面、誤送付が起きがち。細心の注意を払わなければなりません。
<4>入金の確認
入金期日になったら、請求書に記載した金融機関の口座の明細を確認し、相手方からの入金額と請求額を照合して入金内容の確認をします。入金額と請求額に差がある場合、その原因を調べたり、取引先に連絡を入れたりする必要があります。
相手方が請求書を紛失してしまった、相手方に届いていないという場合は改めて期日を設定して請求書の再発行をします。
(!)入金が確認できない場合は、電話やメールで連絡を入れたり、督促状を送付したりしなければなりません。督促前には事前の契約と請求書の内容に齟齬がなかったかを改めて確認します。
<5>入金伝票の作成・会計処理
入金内容をもとに、入金伝票を作成します。入金伝票には次の項目を記載します。
・入金日
・伝票番号
・取引先
・回収方法
・入金金額
(!)入金伝票作成後に、入金金額の仕訳をします。売掛金を減らし、現金を増やします。
<6>入金リストの消し込み
処理が済んだら売掛金としてのデータを消去していきます。この作業は「消し込み」と呼ばれます。入金が完了しているにもかかわらず、催促の連絡をしてしまったり、未払いのままとなってしまったりすることがないように消し込みは正確に行わなければなりません。
(!)消し込みは「入金予定」で行ってはいけません。必ず入金完了後に行います。
請求管理業務を効率化するには
上記の通り、請求書管理業務は工程が多いことに加え、細心の注意が求められます。そのため、業務の効率化を進め、楽にするとともに、人的ミスを減らしたいものです。
まずは請求業務の一連の流れを確認し、担当・責任を明確化しましょう。簡略化が進み、効率化につながっています。
請求業務に関する作業の専用ツールを導入するのもよい方法です。ミスを無くしたり、請求業務の管理がしやすくなったりすれば、コストを削減することもできます。