SES(System Engineering Service:システムエンジニアリングサービス)事業の運用にあたって、クライアントへの請求書や注文書の作成・送付業務が発生します。
請求件数が増加したり、請求書への手書きやMicrosoft Excel (※)への入力などで対応したりしている場合、帳票作成に時間・労力がかかるほか、誤請求・請求漏れなどのトラブルにつながる可能性があります。
SES事業者のなかには、請求書作成の業務負担が大きく「従来の管理体制を見直したい」「効率的に請求書を作成・管理できる方法を探している」という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、SES事業者が抱えやすい請求書業務の課題を踏まえて、効率的に管理する方法を解説します。
※Microsoft Excel は、マイクロソフト グループの企業の商標です。
SES事業における請求書業務の課題
SES事業の請求書業務には、以下のような課題が挙げられます。
▼SES事業における請求書業務の課題
経理担当者の負担が大きい
請求業務に時間を要してコア業務に集中できない
人的ミスが発生しやすい
契約と請求のデータが分散して照合のチェックが面倒
手入力による計算やMicrosoft Excel による処理を行っている場合、時間・労力がかかるほか、経理担当者の負担増加につながってしまいます。また、請求業務に時間がかかってコア業務に時間を割けないという課題もあります。
さらに、クライアント数が多い、契約と請求のデータが異なる形式・場所に記載・保管されているといった理由で請求書業務が複雑化しやすく、計算間違いや送付先間違いなどの人的ミスが発生するリスクも考えられます。
このように請求書業務が複雑化しやすい理由には、SES事業特有の請求対応が必要になることが挙げられます。
▼SES事業における請求書業務の特徴
クライアントによって契約内容や精算条件(単価や精算幅など)が異なる
単発・定期・従量課金など、複数の請求内容を抽出して計算する必要がある
エンジニアごとの交通費や残業代などの計算が必要になる
なお、Microsoft Excel で請求管理を行うメリット・デメリットはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
初めてSES管理表・請求書を作成する方に向けて、お役立ち資料をご提供しています。こちらからダウンロードいただけます。
SESの請求書を効率的に管理する方法
SESの請求書を効率的に管理するには、円滑に請求情報を社内共有できる仕組みを整えたり、請求書の書き方・作り方を統一したりすることが必要です。具体的な方法には、以下の3つが挙げられます。
①クライアントの請求情報を一覧化する
クライアントの契約内容や請求方法に沿った請求書を作成するために、請求情報を一覧化してまとめておくことがポイントです。
契約内容と請求に関するデータを分散して管理している場合、請求書の作成時にデータを一件ずつ照合する必要があり、労力がかかります。また、複数のシステム・ファイルに重複して入力したり、他部門に請求内容を確認したりすることで、情報共有ミスも起こりやすくなります。
請求情報を一覧化して各部門で共有できるようにすることで、重複したデータ入力や確認作業などの工数を削減して、業務の効率化・情報共有ミスの防止を図ります。
一覧化して登録しておく請求情報には、以下が挙げられます。
▼一覧化する請求情報の例
情報 | 内容 |
請求先 |
|
契約形態 |
|
契約期間 |
|
精算方法 |
|
入金サイト | 取引代金の締め日から支払いまでの期間 |
②汎用性の高い帳票フォーマットを作成する
SESの契約内容に合わせて請求書を柔軟に作成できるように、汎用性の高い帳票フォーマットを作成することもポイントの一つです。
フォーマットを作成する際は、基本項目に加えて、SES特有の諸費用や調整額などの記載項目を設けると、詳細な請求金額を分かりやすく可視化できます。
また、必要に応じて行を追加したり、請求内容の内訳・合計額の欄を分けたりできるフォーマットであれば、複数のエンジニアを派遣する際にも請求管理がしやすくなります。
SESの請求書フォーマットに記載する項目には、以下が挙げられます。
▼フォーマットの記載項目例
請求先(法人名・部署名・担当者名・住所・連絡先)
請求日
支払期日・振り込み先
エンジニアの氏名、稼働期間、稼働時間
請求品目(作業内容)
単価・数量
超過・控除単価
超過・控除の精算時間、精算額
諸経費
交通費
請求合計金額 など
③SES向けの請求システムを導入する
SESの請求書を効率的に管理するには、請求システムを導入することも有効です。SESに対応した請求システムを導入すると、契約内容や請求方法に紐づいた請求書の作成・管理ができるようになります。
契約内容・精算条件を目視で照合したり、請求書の項目を手入力したりする必要がなくなるため、人的ミスの防止につながります。 また、一から帳票フォーマットを作成する必要がないほか、分散管理されたクライアント情報を一元管理できるため、効率的な請求書管理を行えます。
SESの請求システムには、請求書業務に関する次のような機能が備わっていることが一般的です。
▼請求書業務に関する機能
契約内容や請求方法、超過・控除の単価などを設定して自動で請求額を計算する
郵送用の請求書やPDFデータをボタン一つで生成する
SESの請求書を電子化するメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
この記事では、SESの請求書業務について以下の内容を解説しました。
請求書業務の課題
SESの請求書を効率的に管理する方法
SESの請求書業務は、クライアントによって契約内容や精算条件が異なるほか、複数の請求内容を抽出して計算する必要がある、エンジニアごとの計算が必要になるといった理由から、管理が煩雑化しやすいという課題があります。
このような課題を解決するには、クライアントの請求情報を一覧化して共有する、汎用性の高い帳票フォーマットを作成することが有効です。また、より効率的に請求書管理を行うには、SESに対応した請求システムを導入するのがおすすめです。
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なお、SES運用に役立つ管理システムの選定ポイントについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
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